今回は最近読んだ「フェルメール 光の王国(翼の王国books) 」のご紹介です。
著者の福岡伸一氏は美術関係者ではなく生物学者ということで、この本ではフェルメールの絵画そのものを掘り下げるだけではなく、飾られている美術館 - オランダ(フランクフルト、アムステルダム、ライデン、ハーグ、デルフト)、アメリカ(ワシントンDC、ニューヨーク)、フランス(パリ、ブルーム・ラ・レーヌ)、イギリス(ロンドン、エディンバラ)、アイルランド、ドイツ(ドレスデン、ベルリン、ブラウンシュバイク)、オーストリア(ウィーン)や、その街の風景にも言及されていて、まるで実際に現地の美術館にフェルメールの絵画を見に行った気分にさせてくれます。
絵画と街の関係から鋭い推理が飛び出し、例えばアメリカ編では、かつてこの地で活躍した野口英世がフェルメールの絵画を見たのではないかとの指摘をしており、思わず成程と、首肯いてしまいます。
冒頭と末尾で強調されている「天文学者」(2015年来日)、「地理学者」のモデルが、フェルメールの同世代の科学者レーウェンフックではないかとの推理は、確かにその通りと思わせるものがあります。
フェルメール好きには外せない一冊です。
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